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文庫設立一周年を迎えました

2024年919



昨年9月1日に開設された大江健三郎文庫。オープンから早一年を迎えました。

おかげさまで、国内外から多くの方にご来室いただいております。

大江健三郎研究者を中心に、他の作家と大江の関係を調査している、あるいは草稿研究やデジタルアーカイブの手法そのものに関心のある研究者の方などにもお越しいただきました。

「自筆原稿デジタルアーカイブ」や「関係資料コレクション」が、幅広い研究・教育に役立っており、嬉しく思っております。

また9月4日(水)に開催された、大江健三郎文庫設立一周年記念シンポジウム「大江健三郎 テクストとコンテクスト」は、会場・オンラインとも盛況のうちに終了しました。

ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました。

このシンポジウムは、本年度 Sセメスターに開講されたオムニバス講義「大江健三郎を読む」の担当教員を中心に、様々な専門性を有した8名の報告者が集い、行われたものです。

初期〜後期までの大江文学を対象に、性、歴史、テロリズム、超越と内在、魂の救済、そしてメキシコ・イタリアでの経験など、多様な観点にもとづいて報告・議論がなされ、文庫所蔵の自筆原稿・校正刷の研究成果も提示されました。

今後もこのように、文庫の活動から生まれた研究成果を公開する機会を、積極的に創出して行けたらと思っています。

この一周年記念シンポジウム内で大向一輝准教授からお話があったように、現在文庫では、大江健三郎に関する(大江以外の著者による)研究書・論文・新聞記事を横断的に検索できる「記事・論文データベース」の一般公開に向けて準備を進めています。

すでに公開されている「書誌情報データベース」と併せて活用することで、大江という作家の全体像に迫ることができるかと思います。ご期待ください。

また、国内外の最新の大江研究書や翻訳書を中心に、「関係資料コレクション」の拡充も進めております。


世界文学としての大江文学の研究拠点として、スタッフ一同、今後とも頑張ってまいります。

二年目の大江文庫も、どうぞよろしくお願いいたします。


POPEYE Webで連載したミニコラムにて、大江健三郎文庫を紹介しました。よろしければぜひご覧ください。


(菊間晴子)