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関係資料コレクション紹介④
関係資料コレクション紹介④
2024年4月30日
2024年4月30日
大江健三郎文庫には、大江氏の著書(初版本)、その作品が掲載された雑誌、また研究書・関連書籍などが網羅的に所蔵されています。
雑誌に関しては、森昭夫氏から寄贈していただいた1950年代から2010年代にいたるまでの資料2500点以上に加え、大江氏の追悼号など最新資料の収集も進めています。
大江氏によるテクストだけでなく、研究論文や関連記事や収録された雑誌などについても所蔵しており、その幅の広さが特徴です。
ここに来れば、大江健三郎という作家の全貌、そして大江研究の歴史とその最先端に触れられる!という研究拠点を目指しています。
今回は、雑誌資料の一部をご紹介いたします。
大江の文芸誌デビューとなった『文學界』1957年8月号(短篇「死者の奢り」を収録)です。
この「死者の奢り」について、目次には「解剖用死体処理室に働くアルバイト学生と死者達の間に醸される奇妙な関係」という説明が付されています。
注目したいのは「座談会・転換期に立つ昭和文学 日本の小説はどう変るか」が同誌に収録されていること。
参加者は石川達三、高見順、伊藤整、中村光夫、山本健吉、大岡昇平、福田恆存、野間宏、堀田善衛、遠藤周作、石原慎太郎、江藤淳(司会、荒正人)。
数多くの文壇人が集い、最近の文学界の潮流、読者への向き合い方、さらには社会のなかでの小説の役割やその未来について語り合う座談会記録とともに、後に戦後文学をリードしていくことになる学生作家・大江の作品が世に出たことは、何か象徴的であるように思います。
(雑誌資料からの引用にあたって、旧字体は新字体に改めました)